コスト削減
分析事例
T&D情報システム株式会社 様
グループ・キャッピングを利用したCPU使用制限を行うことで、CPU使用料金を大幅に削減
メインフレーム向け性能管理ソフトウエア 「ES/1 NEO MFシリーズ」導入事例
課題
CPUの使用量の増加に伴うソフトウェアのCPU使用料金の増加
効果
IIM社による第三者の視点で制限値を評価できた
T&D情報システム株式会社について
当社は太陽生命、大同生命、T&Dフィナンシャル生命からなるT&D保険グループのITを支える会社として、システム開発から構築、運用まで幅広く手掛けております。
その中で、太陽生命の個人保険システムが、今回の取り組み対象である "IBM社 SYSTEM z" で稼働しております。
お話を伺った方
T&D情報システム株式会社
テクニカルサポート一部
IT基盤管理一課
若山 博和 氏
背景・経緯
業務量の増加に伴い、CPUの使用量も合わせて増加しており、その結果ソフトウェアのCPU使用料金が年々増加している状況が発生していました。
当社のCPU使用料金は、WLC(Workload License Charges "IBM社 SYSTEM z" の従量課金体系)によって課金されております。ソフトウェアの使用状況に応じて課金額が変動するため、ソフトウェア使用料金の削減が可能であると考えました。
当初は営業職員が保険設計書を作成するオンラインピーク時間帯(AM10:00~11:30)を基準にCPU能力を設計しました。
しかし、実際には月1回程度の特異日に高負荷の非クリティカル・バッチが稼働するため、ピーク時間帯以外が課金対象となり、目的と実態のアンマッチが発生していました。
そこで、この状況を解消して、適切なWLC課金によるコスト削減を実現するために、これまでのハードウェア・キャッピングを取り止め、グループ・キャッピングを活用したキャパシティ制限を検討しました。
ハードウェア・キャッピングとは、キャパシティ制限用のCF区画を利用して擬似的な制限値を設けて課金対象外とすることができる手法です。ただし、CPUを制限値以上に利用できないという点がネックとなります。
グループ・キャッピングとは、複数区画をグループ化して、グループ内で合計された4時間の平均MSU値に対して制限をかける手法です。
課金対象となる4時間平均のMSU値が制限値に達した場合は、その後のCPU使用を制限して制限値を超えないように制御します。
グループ・キャッピングによるメリットとして、4時間平均のMSU値が制限値に達しなければ、区画の制限値を超えてCPUを使用することができるという点があります。当社のピーク時間帯は4時間以内に終了するため、制限をかけた状態でも100%のCPUを使用することが可能となります。(図1)
キャパシティ制限としては、WLC課金を1,000万円削減することを目標に設計しました。過去の課金状況からMSU値を算出したところ、1割削減することで目標が達成できると判断しました。IBM社にMSUを1割削減した場合の料金を試算いただいたところ、1.700万円の削減が見込めるとの回答でした。システム稼働においてはES/1を使用して、さらにIIM社にMSU値の制限値見積りについてサポートいただき、問題ないことを確認しました。
ハードウェア・キャッピングは制限値を超えて使用することが不可能
グループ・キャッピングは4時間平均が課金対象の制限値に達しないため、区画の制限値を超えて使用することが可能
評価
グループ・キャッピングの採用により、コスト削減効果としては、適用後1年間で約2,400万円を削減できました。
当初IBM社の見込みでは1,700万円でしたが、それを上回る効果が得られました。CPUとしては、区画の制限値を超えて使用することができました。(図2)
今後の展望
IIM社の評価サポートを活用して、更なるMSU削減の実施を検討しています。今回、IIM社による第三者の視点で制限値を評価できたことは非常に有用でした。ES/1を用いて、業務特性、今後のCPU使用伸び率、余裕度を継続的に監視することで、詳細な制限値を設計する予定です。
2011年掲載
※ご部署、お役職は2011年当時のものです。
社名
T&D情報システム株式会社
事業内容
システム開発から構築・運用まで幅広く手がける
設立
1999年7月15日
従業員数
716名(2023年4月1日時点)
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